あかりは隣の家のドアを叩いて、こうじを呼び出しました。あかりはこうじの腕をつかんで外に連れ出し、小さい声で言いました。 「森に行って、サクラちゃんや森の仲間たちが昨日の嵐に巻き込まれてないか見にいかなくちゃ!」 「ぼくも同じことを考えていたよ。おかあさんとおじいちゃんは大丈夫って言ってたけど、もし昨日の嵐で木が倒れていたら大変だから見に行きたいって言ったんだ」 そしてあかりとこうじは小川を渡って、森に向かいました。 歩いて少しすると、フクロウが2人の近くを飛び、木の枝に止まったので、彼らは驚いて話しかけました。
「フクロウさん、嵐のあとみんなは大丈夫?」あかりは尋ねました。 「大丈夫だよ。誰もケガしてないし、嵐が過ぎるまで森の仲間たちはみんなほら穴に隠れていたんだ。サクラちゃんが君たちと話したがっているから、ちょっとそこで待っていて」 そしてフクロウは深い森の中に飛んでいき、あかりとこうじは丸太に座って待っていました。
あかりとこうじはいい知らせを聞けて安心しながら、サクラちゃんが到着するのを首を長くして待ちました。 5分後にサクラちゃんが少し心配そうな様子で彼らの前に舞い降りました。 あかりは言いました「どうしたのサクラちゃん、動揺してるみたいだけど」 こうじも尋ねました「なにかぼくらでサクラちゃんを手伝える?」 サクラちゃんは返事をしました「なにが起きたか私と一緒に見に来てください」
みんなは森の中に向かいました、そこは風と雨でとても荒れているように見えました。 道のない、密集した森の中の木の枝をねじって通り、あかりとこうじは今まで行ったことのない深い森の中に歩いていきました。 光のあまり当たらないその場所は鳥たちの歌声も聞こえず、あかりとこうじは少し不安に感じながらも何も話しませんでした。 あかりとこうじは危険な目には合わないだろうとサクラちゃんとフクロウさんを信じました。
大きなどんぐりの木を通り過ぎると、ぱっと視界が開けました。 太陽の光が輝いて、鳥たちは陽気に歌い、地面はとても濡れていました。森の仲間たちは巣穴を修理するのにとても忙しく働き、食べ物を集めて、昨日の夜に起きたことをぺちゃくちゃと話していました。 あかりは周りを見渡し、なぜ明るい光が差し込んでいるのか、昨日聞いた大きな音の理由に気がつきました。 そこには大きな木が雷に打たれ、風に倒されて横たわっていました。