暑い日が続いた晴れた日、あかりとこうじは小川に足をつけて、カエルと小さい魚を探していました。彼らは川岸の丸太に座りながら、空を見上げました。
白いふわふわの雲がゆっくりと灰色に変わっていきました。 「見て、こうじ、あの雲はゾウが空で鼻をぶらぶらしているみたい」 こうじは返事をしました。 「それでむこうの木はおかあさんが鍋を焦がした時みたい。おかあさんはいつも食べ物を焦がすんだ。だって料理してたのを忘れちゃうんだから。おじいちゃんと一緒に住んでいなかったら7歳になる前にお腹を空かして死んじゃってたと思う」 2人は笑いました。でもあかりはこうじが冗談を言っているの知っていました。こうじのおかあは素晴らしい料理人だからです。
こうじはおかあさんとおとうさんはおじいちゃんの家に引っ越して一緒に暮らしています。 こうじのおかあさんはお医者さんとしておじいちゃん家の近くの病院で働いています。だからおかあさんは67歳の元気で健康そうに見えるおじいちゃんをいつでも助けることができます。でもおじいちゃんは体に少し痛みがでてきて、視力も昔のように良くありません。 おじいちゃんの家はこうじのおとうさんが旅から帰ってくる時に使う海の近くにあります。
あかりとこうじは1日を楽しみました。でも空を見上げると、数分前はふわふわだった白い雲が大きな灰色の雲に変わったので、彼らは雨になると思い、いつでも帰れるように、家の近くにあるおじいちゃんの小屋を片付けることにしました。
小屋の中には木材と木を切る道具がすべて揃っていました。ほかにはペンキブラシ、古い人形と乳母車、人形用の小さい家具とお皿、マグカップと受け皿、カバンの中には古いきれいなドレスがありました。 それはこうじのおかあさん、みゆきが小さい頃に使っていたものでした。